日野図書館は日野市立図書館の分館の一つです。甲州街道日野宿の中心、歴史あるまちに佇んでいる小さな図書館です。地域住民に役に立つ図書館でありたい! そんな思いから本を並べて待っているだけではなく、外へでよう、まちをみつめ直そう、と「日野宿発見隊」を結成しました。近所一軒一軒を訪ね歩き、メンバーを募りました。床屋さん、自転車屋さんと次々にメンバーになってくれました。平成18(2006)年6月のことでした。

毎月のスタッフ会議はまちの自慢話に花が咲き、あそこにはこんなものがある、今度はあの家を訪ねてみよう、などと話しがつきることなくどんどんアイデアも広がっていきました。こどもにもこのまちを知ってもらおう、お年寄りから昔の話しを聞こうなどと出された意見を一つ一つ形にしていきました。どの活動も広報などで広く呼びかけ、多くの人に参加してもらいました。

スタッフ会議
スタッフ会議

1.「まち歩き会」…これは発見隊の基本となる活動です。

四ッ谷の地蔵堂見学
四ッ谷の地蔵堂見学

春と秋の年2回、旧日野宿とその周辺地区を訪ねています。春にはカタクリの花や梅の花、秋には紅葉と季節の風情を楽しみながら、普段は見られない旧家の屋敷や庭園を間近に見ることができます。また同時に長年暮らす土地の方々から直接話しを伺えるのも、この「まち歩き会」ならではの特徴です。

「まち歩き会」へ

2.「写真展と座談会」の開催

日野宿交流館での座談会
日野宿交流館での座談会

このまちにはたくさん古い写真が残っていました。昭和12(1937)年、当時の有山町長の工場誘致でやってきた小西六日野工場(現コニカミノルタ)の操業が関係していたのです。日野宿からもたくさんの人が働いていました。そんな普通の人が普通に撮った日常のヒトコマが今となっては大変貴重な資料となっていたのです。この写真をもとに、撮影した人やまちの人に集まってもらい座談会を開きました。思い出話はつきることがありませんでした。

また、平成20(2008)年5月からは提供いただいた写真を「まちかど写真館 in ひの」と銘打って、町のなかに、撮影当時と同一場所に写真パネルとして展示する試みを始めました。この企画はテレビ朝日の「ちい散歩」でも取り上げられるなど大きな反響を呼びました。
以後、「北原・四ツ谷」「日野用水」「日野駅」、「谷仲山」、「八坂の祭り」と次々に開催されています。

「日野の昔を語り合おう」へ

「まちかど写真館 in ひの」へ

3.「こども発見隊」、「こども横丁・夕涼み会(夏まつり)」

ふれあいこども横丁:ひのっちみこし
ふれあいこども横丁:ひのっちみこし

まちのお宝とは何だろう? こどもたちにそんな問いを投げかけ、こども版まち歩き会を開催しました。またこのまちにとって大切な遺産である日野用水での水遊びにも挑戦しました。今もなおたくさんの魚やいきものが棲んでいることに驚きました。

また発見隊のメンバーでもある日野市立日野第一小学校の小杉校長先生の提案を受け、大昌寺の全面協力を得て、同駐車場をメイン会場に紙飛行機や水鉄砲作り、ベーコマ遊びなど昔遊びを楽しむ「こども横丁」を再現しました。一方、ふれあい商店会と共催で、日野囃子保存会の祭囃子や夕照会の三味線の生演奏の後、これまで収集してきた半世紀前の写真や映像を上映し、昔ばなしに花を咲かせた夕涼み会(夏まつり)も開催しました。

「こども発見隊」へ

「こども横丁・夕涼み会(夏まつり)」へ

4.「八坂神社の祭り展示」

古い商家の趣を今に残す森町の志村宅をお借りして、平成20(2008)年5月、八坂神社の祭りの写真を展示しました。また同年9月八坂神社例大祭にあわせて、八坂神社ほか祭り関係者の協力を得て、祭り半纏やポスター展を開催。同時に八坂神社の玉垣に、古くは明治30(1897)年頃のものから現在に至る祭りの写真25枚を展示。折しも約130年ぶりに総修理された宮神輿の慶事に花を添える形となり、道行く人たちに大いに楽しんでもらいました。

八坂神社玉垣に展示した写真
八坂神社玉垣に展示した写真

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