立川飛行場開設100周年記念 まち歩き「空の都・たちかわ巡りー立川飛行場東側」<番外編>に参加して

今回のまち歩き会は、日野から一足のばした立川でのまち歩きでしたが、飛行場は日野宿とも深く関わりがありました。参加者は事前に隊員が作成した資料に目を通し、日野宿との関わりを把握してからのぞみました。

当日は、前日の雨が嘘のような好天に恵まれ、絶好のまち歩き日和でした。

参加者は、午前9時、立川駅近くにある「ミスビードル号」前に集合し出発。

立川小唄の碑、立川飛行場跡、立飛の脇の歩道を歩き、高松駅へ。玉川上水駅までモノレールに乗って、東大和にある旧日立航空機株式会社変電所跡へ。戦災建造物を見学して解散しました。

まち歩きの前半は立川飛行場について、航空ジャーナリストの横川さんと日野宿発見隊副代表の加藤さんに案内していただきました。

立川に飛行場があったとは、日ごろ何気なく歩いている時には気がつきませんでした。

てくてく歩きながら所々に残っている歴史遺産について、遠足のしおり(実はとても詳しいものです)を片手に説明を受けたので、当時に思いを馳せることができました。

また、歩くことで、地図や文章では読み取れない飛行場の広さや飛行機の格納庫の広さを体感することができました。

旧日立航空機株式会社変電所跡では、ガイドボランティアの楢崎さんから説明をしていただきました。この建物は、取り壊しの危機にあいながらも市民の働きかけや寄付により保存され、改修した後に、一般公開されるようになったそうです。建物の保存と展示という点では、2階に上がる階段がガラス板で改修されていたので、安全性を高めつつ、実物に近い状態を見学する工夫がされていると感じました。

説明を受ける前に建物にある爆撃の傷跡が目に入ったところで心が苦しくなります。

建物の壁に残る弾痕をみると、破壊力の凄まじさがひしひしと感じられます。記録と写真で当時の状況について教えていただきました。

楢崎さんは、文書での記録と当時の様子を語ってくださった方の証言では、微妙に違いがあるけれども、当時の写真が克明に事実を伝えている…と、写真パネルを見ながら工場の被害状況を示す部分を解説してくださいました。 偶然にも、隊員のお母さまが学徒動員された時の写真が展示されていたのでとても驚きました。

午前半日のまち歩き会でしたが、実物を見ながら歩くことで、何も知らなかった飛行機のことについて知ることができ、また、戦争の恐ろしさを改めて感じるなど、充実した時間を過ごすことができました。歩きながら実物を見て、資料を文章で読むことよりもずっと身近に感じることができました。

案内役の皆様、参加者の皆様、ありがとうございました。 

※このまち歩きに関心をもってくださった方は、当日の資料を図書館で貸出できます。

『まち歩き「立川飛行場東側」 立川飛行場開設100周年記念 2022年3月20日 まち歩きの栞』横川 裕一/著 2022.3

※旧日立航空機株式会社変電所跡の内部の見学をご希望の方は、あらかじめ公開されている日を確認してからお出かけください。

(事務局 K)

立川駅近くにある「ミスビードル号」前に集合
五連隊正門跡に位置する公園に立川小唄の記念碑
立川小唄の碑
日米友好スズカケノキ
グリーンスプリングスからの旧立川飛行場を望む
立川飛行機(現・立飛リアルエステート南地区正門)
東大和にある旧日立航空機株式会社変電所跡
ガイドボランティアの楢崎さんから説明を受ける
工場全景